お馴染みの「夜明け前練り粕」
酒粕が苦手な方もいる中、身体に良いとされているこの発酵食品をどう料理するか？
多くの方に召し上がって頂く為にじっくり考えて頂きました！

居酒屋

あらやしき

天然真鯛の塩焼き
＝酒粕香るやさいのピューレ＝

テーブルに置かれた料理に、早速息を呑んだ。
芸術作品を見ているかのような美しい料理の姿にあぁ…としか言えなかった。

有難く頂いたこちらの料理は、玉ねぎとカブを酒粕に一晩漬けて出汁で煮たピューレ。
この手の込んだピューレと天然真鯛の塩焼き。
そこへ京野菜で有名な万願寺唐辛子と自家製のガリを添えた、素材の旨味や香りを愉しむ一品。

このピューレ、滑らかな口当たりで野菜の甘味、うま味とお出汁の香りをしっかり感じるソースである。
砂糖を一切使わず、酒粕を使用する事で、野菜の甘味、うま味、風味を更にアップさせて、柔らかく仕上げている。
繊細でありながら素材の深みをしっかり感じるピューレを乗せて、天然の真鯛の塩焼きを頂く。

美味しいと有名な明石の天然真鯛を使用。
香ばしいパリパリの皮と身が締まり旨味が凝縮し、香りがひと際強い真鯛。
そしてピューレ。
唸り声しか出ない！
京野菜で知られている万願寺唐辛子も合わせて頂く。
この唐辛子は通常の唐辛子より肉厚で、種が少なく甘い。焼き魚と相性抜群である。もちろんピューレを乗せて食べる。

顔がほころぶ幸せな時間であった。

=冷や汁=

二品目の冷や汁は、あえて家庭的な料理を考案頂いた。
食べる前から嬉しくてワクワクする料理。
冷や汁に酒粕！
「冷や汁がポピュラーだから親しみがあって良いと思う」と店主の優しさが見えた逸品。

通常ゴマ仕立てである冷や汁に酒粕を加え、顎出汁がしっかり利いてる旨味タップリの冷や汁。酒粕もしっかり感じ、酒粕好きにはたまらない永遠と食べたい一品。
食べながらポカポカしてくるので、夏の暑い時は口の中はスッキリ冷たく、身体は暖まる。冷風負けしない、身体にも優しい一品。
ご飯が温かいと酒粕を強く感じるので、お好みの暖かさでご飯を投入すると良い。
家庭の定番メニューにしたら間違いない一品。

見た目から魅了され、食べた瞬間に幸せでうっとりする酒粕料理でした。

素敵な料理をご考案頂きありがとうございました。
感動と驚きの連続でうるさい取材班をどうかお許しください。

ゆっくり時を過ごす居酒屋
「あらやしき」

伊那市、飯田線伊那北駅から目と鼻の先。
線路沿いにちょっとした飲食店が立ち並ぶ路地がある。
駅からその路地を入って右側2件目に、コンクリート打ちっぱなしのオシャレな佇まいが見えてくる。

必ず目を引く看板が歩く人を止める。
ここが「あらやしき」である。

店主であり、こちらの料理を担当する瀬戸勇一郎さん。
ハスキーボイスとダンディなルックス。
センスが光り過ぎる店内。
店主と店内で満足してしまう所に、期待を裏切らない料理。
丁寧でこだわりの詰まったオシャレな料理を提供してくれる。
すべてが素敵だ。

「自分が造りたいものを出しているだけ」
サラリと言い出てくる料理は、どれも大変手が込んだもの。
見た目からこだわり、素材を最大限に引き出すお味。

オシャレなフレンチやイタリアンを思わせる見せ方。
食べるとどれもお出しが効いてるお味。
和食である。

ゆったりとした時間の中、会話を弾ませながら食事を頂くフレンチやイタリアン。
その食事を和食で提供してくれる店「あらやしき」

「自分が造りたいものを出しているだけ」
サラリと言ったセリフの奥。
もう歳だから、身体に優しい和食が良いんだよね
和食が食べたい歳になってしまっただけ
「だから和食」
とサラリと言う。

品良く質を愉しみ、そこの会話と時間の大切さを、日本人だかこその料理で教えてくれている気がする。
日本人で良かったとあらためて感じた。

客層は50代～70代、高めである。
その方のご家族が多く来る店で、家宝のようにそのお子さん、お孫さんと代々伝わり続けている大切な店である。
ここにくるお客様は素敵なご家族、人々が想像できる。

「あらやしき」の料理でお客様が愉しめる空間、ひと時を造りあげ提供したい。
そして、料理を愉しみに来るのは勿論、その時間を愉しむお客様に来てもらいたいと優しく語る。

この時間を上手に愉しみ、余裕のある人間になりたい。
「あらやしき」に足を運べばきっと素敵な人間になれる気がする。
そう思わせてくれる店。

店舗情報

「あらやしき」については “ 飲食店とコラボ企画！「in 伊那市」 あらやしき × 夜明け前「相性の良いメニュー 」 ⑪ ” でも紹介予定
「相性の良いメニュー編」