お馴染みの「夜明け前練り粕」
酒粕が苦手な方もいる中、身体に良いとされているこの発酵食品をどう料理するか？
多くの方に召し上がって頂く為にじっくり考えて頂きました！

大衆割烹

あぶらや

この写真に掲載されている料理は全て練り粕料理。
どれから試そうか取材スタート前からワクワクし、高鳴る胸を抑えるのが大変であった。
全ての練り粕料理を一つずつ紹介します。

「酒粕プリン・粕漬けイカ焼き・酒粕の煮卵」

「酒粕プリン」
夜明け前の練り粕はフルーティの為、デザートと相性が良いとの事で考案頂いたプリン。
夜明け前の酒粕をイメージして、カラメルは茶色ではなく “金色” 。キラキラ輝く金色のカラメルがプリンを上品に仕上げ、価値を高めている。
味は酒粕の香りがほんのりしてカラメルと生クリームの甘味が調和。絶品デザートだ。

「粕漬けイカ焼き」
一晩酒粕、醤油、砂糖、みりんで漬込んだつぼぬきイカを、絶妙な焼き加減で焼き上げたイカ焼き。
臭みのある肉や魚に最適な酒粕は、材の質を上げてくれる。よって、イカの甘味をより強く感じ、うま味がしっかりある。歯ごたえも柔らかくて丁度良い。
つまみの定番である「イカ焼き」を上品に味わえる「あぶらや」のイカ焼き。

「酒粕の煮卵」
ありそうでない斬新な驚きメニュー、酒粕の煮卵。
粕の風味がタップリで、濃厚な卵と酒の香りが抜群に合う一品。
考えもしなかった煮卵との相性。新たな発見に感動！

「手羽焼き」

漬けダレに酒粕を加え、肉質をより良くさせた手羽先。
酒粕と相性の良い味噌の濃厚ソースは皮にしっかりしみ、酒粕効果なのかホロホロと骨から簡単に剥がれる。ジューシー且つ、うま味抜群。何本でも食べれる一品。

「酒粕つくね」

ソースに酒粕を使用。かんきつ系でフルーティな香りと、酒粕で味に深みをプラス。ジューシーで食べ応えのあるつくね。こちらも何本でも食べれるさっぱりしたソース。

「鶏肉ももくわ焼き」

酒粕を一晩漬け、よりジューシな肉質にした一品。皮はパリパリ中はふっくら。ジューシーなうま味たっぷりの一品。

提供しやすいメニューでの考案。
既に展開しているメニューへ酒粕を使用し、うま味アップ、満足度アップをはかり大成功な料理でした。
好き嫌いの多い酒粕をどれだけ使用するか分量に大変悩んだとの事。
酒粕は調理しているとだまになる為、舌触りを良くする為の裏ごしが必須。
手間を加える必要がある酒粕を、大変ではあったが新たな料理を発見した。
また、中々使用しない酒粕を使う事で新たなチャレンジになったと喜んで考案頂いた。
引き受けて頂き有難うございました！

季節割烹居酒屋
大衆割烹
「あぶらや」

時代劇に出てくる蕎麦屋さん（江戸時代の蕎麦屋は大衆居酒屋のような雰囲気であったようだ）をイメージし、誰でも気軽に立ち寄れる大衆割烹居酒屋を目指し、開業37年になる店。

看板の鯛の絵は魚をメインで提供している事が一目で分かる。伊那では見慣れた鯛である。

伊那北駅前から1分とリッチな場所に構える「あぶらや」。昔は伊那北駅南側にあった小さな路地に店を構えたのがスタート。当時はカウンターのみで経営されていた。
規模を大きくした現在の店舗は、移転して17年。
地元では新鮮で美味しい料理を出してくれる評判の店。

マスターと呼ばれ親しまれている店主、宮沢さん（中央右側）
ご実家が松川町で旅館を経営されていた頃の屋号「あぶらや」をそのまま店舗名にした。
先祖を思う心が見える。
若い頃から料理の勉強をされ、長年寿司屋で経験されているベテラン料理人である。

料理長の佐藤さん。
今回の料理を考案頂いた方でもある。
佐藤さんも料理経験が大変長く、山梨県のウナギ割烹料理屋で修行したのが始まり。
東京で和洋中全て学ぶ実力の持ち主。時より料理人魂が垣間見る話に引き込まれた。
料理を提供する信念が、あぶらやの料理に繋がっているのが分かる。

長野県は海に面していない山に囲まれた地域である。
しかし、本土のど真ん中。四方八方、手を伸ばしどこの港からも無理なく仕入れる事が出来るリッチな地域。
ここ「あぶらや」では新潟、愛知、東京（豊洲）はもちろん他からの旬な食材が常に入る。
地元出身の一本釣り師と付き合いがあり、より鮮度の良いまぐろを手に入れる事ができる。
強みの多い「あぶらや」

客層も様々で、サラリーマンからファミリー層の食事。
県内外からも観光客や、撮影でやってくる著名人も数多く来店する。
その魅力は全ての料理にこだわる姿勢はもちろんだが、地場の名物を沢山取り扱い、伊那を感じる事ができる唯一の店でもあるからだ。

伊那の名物と言えば蜂の子、ざざ虫、馬刺し。そして馬の血管塩炒め、総脈の塩炒めと大変珍しい馬の部位を使った料理を提供し更に楽しませてくれる。
多くの方が「あぶらや」へ訪れる理由が良く分かる。

こちらは一押しメニューである「つくね」
酒粕料理でも考案頂いたこだわりの「つくね」は全て手作りで練り上げる。
味付けも種類豊富で目を愉しませる。
全種類制覇し「あぶらや」にどっぷりつかりたい。

取扱うお酒も豊富である。
長野の地酒はもちろん、他県の酒も多く取り扱う。理由は海鮮がメイン料理の為、スッキリと切れの良い料理と相性の良い食中酒を厳選。こだわりのもてなしである。
料理と日本酒が相乗効果でより美味しく楽しめ、素敵な時を過ごす事が出来る「あぶらや」

店内は大勢のお客様が来店できる広々とした造りとなっている。
1階は個室と小上がり、7席のカウンター。
2階は30名までの宴会が可能なお座敷席があり、ゆったりと美味しい料理を愉しむ事ができる。

インテリアはワンランク上の割烹居酒屋といったイメージで至る所に気品が見え、プチ贅沢感が満足度を上げる。
気軽に割烹料理を愉しみ、伊那を感じ、素敵なおもてなしに心地良い時間を味わう。

次回はプライベートでゆっくりと、伊那を知り「あぶらや」を愉しみたい。

店舗情報