「地酒屋 宮島」

上田駅から徒歩3時間30分
駅から遠くて、暗くて、怪しい？店

一番深い井戸の中の蛙を目指して
「信州長野県の地酒専門店」

柔らかい声と、心地良い相づち。最初から最後までしっかり話を聞いてくれる安心感。

質問に対して「いい質問ですね。すごい質問ですね」必ず相手を褒めてから話が始まる。
同じ内容を繰り返す質問に、より深い話を付け加え、話を膨らまし、楽しませる。

天性なのか、意識してこんなに配慮をしてくれるのか、どちらにしても気持ちの良い話に虜になる。

「真田氏ゆかりの地」の一つである上田市。真田氏が統治した地を結ぶ街道、幸村街道沿いに構える宮島酒店。
上田市内からこの店へ向かうと、徐々に集落が少なくなり山へ向かう景色に変わる。上田駅から徒歩３時間３０分。駅から遠くて、暗くて、怪しい店（詳しくは後述のとおり）。関所を思わせる山の入口に構える。

1923年に創業し、2023年には100周年を迎える老舗の宮島酒店。
長野県産だけを集めたこだわり地酒専門店。

創業当初は地酒専門店ではなく、他県の酒も置きビールの配達等も行う、地域に密着した普通の酒屋であった。
なぜ、地酒専門店スタイルにしたのか

先見性のある店主は、いろんな店を周り、そこで展開している他店の地酒を見た。
全国にある、ときめく沢山の地酒で今から勝負しても間に合わない…

信州長野に固執しよう。
「全国を知らない奴が…」と言われるがむしろ “井戸の中の蛙” でいい。
「日本一深い井戸の中の蛙になろう」と、始まったのが2000年である。

真田十勇士をイメージし飾られた銘柄一覧。
「夜明け前」は一番最初の特約店。地酒専門店になる基、きっかけを造ったのも「夜明け前」と言う。
この歴史は是非、店主本人の口から聞いて欲しい。

４０蔵以上の信州地酒を扱う店。
ここまで来るには苦悩も沢山味わう。

蔵元から門前払いを食らう事もあり酒で号泣した日々もあった店主。

師匠と呼ぶ地酒屋の先輩から、酒に対する姿勢、売る姿勢、考え方を学ぶ。
憧れの人、憧れの酒屋、その憧れに付いて行き、

こんな仕事をしたい！憧れを追い続ける酒で行く！

強い信念がここにはある。

スポットライトの優しい灯り。ひんやりとした空気。
モダンな店内はまるで地下貯蔵室。
大切な作品に光を当てない。
作品の前にはポップを置かない。

暗くて怪しい店の理由がここにある。

「商品」ではない。作品です。
酒蔵で作った作品を置かせてもらっている。

ここでは舞台を用意して、そこへ来たお客様に合った作品を紹介する。
このつながりを用意させてもらっている。と言う。

ここは「作品との出逢い」からが自分のストーリーになる場所。

舞台の上には県内地域ごと、蔵の説明を分かりやすく紹介。
信州のどこに、どんな蔵があり、その蔵の作品はコレ。
一目瞭然、分かりやすい舞台は見る人の心を更に躍らせ、探求心へと変えてゆく。

お酒の大敵は紫外線（日光）と温度変化。
そのため、店内は季節を問わず常時室温、湿度を一定に保っている。
暗く落とされた照明はすべて大切な作品の為。

演出目的ではない。

地酒は対話で販売する商品。店内にはプライスカードやチラシ等、一切付けない。
対話で好みに合った酒に近づけてあげる。と言う店主。

蔵人。酒蔵。お客様。
関わる全ての人や物や事に感謝をする姿勢。
言葉の端々に出てくる思いが、優しく伝わる…

実は地元のラジオパーソナリティもする店主。　
酒蔵を丁寧に紹介するラジオ番組。地酒屋くんちゃんの「吞んでるか～い」木曜17：40～17：55 の15分間。
地酒のうんちく、おすすめ商品の2本立て。
詳しくはこちら☟
素人ラジオ番組パーソナリティーの体験談

そして、店主の弟である対話の達人も笑顔で待っていてくれる。

「また来ます！」と強く思わせてくれるお店である。

豊かな自然と歴史ロマンが魅力の上田市真田地域。
「駅から遠くて暗くて怪しい？店」に来たら、真田の歴史を愉しむのもおすすめ。

店舗情報