「酒の春日」
日本人には日本酒を…
こだわりの地酒・ワインの専門店
時間を忘れて会話をし、何気ない話が大切に思え
充実した時間を過ごせる
目に映るもの
耳に入ってくる音
触れて感じる事
五感が自然に動き出す
まさに癒しの空間
長野市
県庁所在地でもある長野市は、県内の経済や教育、医療の中心地。長野駅から新幹線かがやきで、東京まで最短1時間22分で行くことも出来るため、都心からのアクセスも良好だ。
県内で最も人口が多い中核都市でありながら、1400年の歴史を持つ善光寺を始めとする文化財が残り、その歴史と文化に多くの人がひきつけられ、毎年多くの観光客で賑わっている魅力の多い所。そして、有名な観光地へ行きやすい位置にある。北に行けば野沢温泉、南は安曇野(あずみの)、松本に上高地。東は志賀高原に軽井沢、西は白馬と贅沢過ぎる場所である。
その最南端に位置する篠ノ井地域に「酒の春日」がある。
篠ノ井地域周辺も、レッサーパンダで有名な茶臼山動物園、長野オリンピックの開閉会式場として利用されていた南長野運動公園、信玄と謙信の対決で有名な川中島古戦場跡など、見所の多い魅力的な地域である。
2代目店主と奥様、3代目になる次男と看板犬ゴールデンリトリバーのレイラちゃん。計4名で営む。
店に入り、早速お出迎えしてくれるのがレイラちゃん。皆さん同じ笑顔で迎えてくれるので、話を始める前から何だか楽しい。
店に入った瞬間から和む店。
2代目店主の春日さん
初対面の壁が全くなく、優しいトーンと優しい話に吸い込まれ、時が経つ事を忘れてしまう。
実家に顔を出しにきた時に似ているフランクな空気。
隣で奥様がコーヒーを淹れる。酒屋でコーヒーの香りに浸る事が出来るとは思ってもいなかった。
思わず取材を忘れ、この時間をしっかりと愉しむ。
何気なく話す内容は店主のポリシーであり、人として大切な事でもあった。
当たり前の事だが今の世の中では中々出来ない事。改めて教えていただく。
創業58年になる酒の春日
県内の地酒を中心に、春日さんがこだわり取り扱っている蔵元の日本酒と地元ワインを扱う日本酒専門店。
2代目の父親が酒蔵に勤めていた事もあり、日本酒への思いは厚い。
調合担当していた父親。熱心に従事するなか、政府の酒蔵統合により他の酒蔵と合併する事になる。
「合併前の酒は美味しかった…」と、悔やんだまま父親は亡くなる。
悔やんだ父の想いを受け継ぎ、良いモノを、一生懸命造ったその想いを提供し続ける。
日本酒専門として、多くの人へ良いモノを伝え続け、造り手の想いを守り続けている。
日の当たらない壁全てに冷蔵ケースを設置。常温でも保存可能な火入れの商品まで入れ、冷蔵管理をする。
これは、蔵元で製造した状態をそのままお客様に提供できるようにと管理をしている。もしくは蔵元以上の管理し、最も美味しい状態でお客様に提供するこだわりだ。
お客様にもしっかり伝わり、火入れの酒も生酒と同じ状態を保ち愉しんでいるのだと言う。
冷蔵庫は引き戸の3枚ガラス特注品である。引き戸であれば、開閉時間をより少なくする酒の為の配慮である。
丹精込めて造り上げた酒を、酒屋で状態を変えてしまう事はあってはならない。
守り続ける思いを、扱う商品にしっかり注いでいる。
夜明け前は2番目に特約店としてお付き合いが始まる、長いお付き合いである。
「酒の春日」では、取扱う酒ほとんどが蔵元から直接卸す特約店として販売している。
蔵元で造った酒を愛してくれているからこそであり、お客様に喜んでもらう事に一筋である証。
2代目店主と奥様は「唎酒師 (ききさけし)」
3代目の次男は日本酒や焼酎のプロフェッショナルと公認されている「酒ディプロマ」
必ず3人で試飲をし意見を合わせる。
料理との相性であったり、歴史・醸すこだわりを共有し提供している。
大切な事は妥協はしない。プロ意識がとても真摯である。
周辺の同業店で始めた地酒は扱わない。取り扱ってない地酒を探しにきたお客様へは取り扱い店舗を紹介する。
同業者で繁栄していかないといけない。だから一緒に繫栄したいと考えている。自分で全て抱える事はしない。
「特別な事はしていないよ」
サラリと言う店主のスマートな様子に魅了され続ける。
道路改正により現在の場所へ移転。新規一転し、室温の変化が少なく、酒の管理に適した築150年の趣ある古民家を新潟で見つけ購入。その家を長野市まで移築したこだわりが詰まった店舗。
店内は梁(はり)が引き立つ吹き抜けの天井で、解放感と重厚感を味わえ満足スポットが沢山ある店内。
この落ち着いた雰囲気が、つい長居をさせる理由の一つだ。
レイラちゃんに癒しを求めにくるお客様も多い。
近くにある茶臼山動物園の帰りに逢いに来るファミリー。犬好きな方や、犬が好きだが飼えない方、犬を散歩に連れ出してくれる方。遠方からもやってくる。
レイラちゃんも、来るもの拒まず落ち着いた様子で迎え入れてくれる、優秀な看板犬である。
虜になる理由が良く分かる。
とにかく可愛い。
ビートルズコーナー。
こちらは店主の趣味である。
老若男女問わず、愛されるビートルズ。来るお客様との会話も弾む理由はここにもある。
従業員一人一人が自分を開放し、毎日を愉しみ仕事を感じさせない仕事をしている。そして、両腕を広げて待っていてくれている。
「人が良く、人生を愉しんでいるお客様がほとんどなんです」
お客様に感謝しながら言う。
そんな春日家族が営むから絶対に人が集まるのだ。
「野菜が採れたよ」
「お土産買ってきたよ」
酒を購入する目的ではない人々がやってくる。サザエさんで出てくるような八百屋や肉屋や魚屋には、いろんな話をしている人々が集まり、井炉端会議をする。昔は当たり前であった人との何気ない交流。情報社会の今の現代にはない。
しかし、ここにまだ残っていた。懐かしく、とても大切な事が。
富山、新潟、東京等々遠方から訪れる。老若男女問わず口コミで広がってやってくる。
ネットの情報よりこだわりのココの酒を飲みたい、この店に来たい。
そんな根強い客が多い理由が良く分かる。
今尚、ファンが増え続けている価値のある店。
「今日の料理は何にする?」
今日の料理に合わせた酒を提案してくれる店。すぐに酒を愉しめる粋な計らい。
普段の食卓までもを、より愉しく、美味しく、感じる時間を作り上げてくれる。
簡単な言葉に聞こえるがとても奥が深い。
一つ一つをしっかり愉しむきっかけを自然に作り出す。
蔵と付き合うという事は親戚が出来る、結婚するのと一緒。一度取引を始めたら責任を持って扱い、お客様に提供する。
やみくもに新たな銘柄を増やしたりはしない。
蔵元が進化すれば小売り店も合わせて進化していかないといけない。
常に気を配り、人に、モノに、大切に真摯に向き合っている姿。
全てが自然体で、受ける側の体に沁みる。
必ず、顔を出しに行きます。
長い時間、取材にお付き合い頂きありがとうございました。
店舗情報
酒の春日 google map |
【ジャンル】 酒販店 |
【営業時間】9:00~19:30 |
【定休日】無休 |
【住所】〒388-8012 長野県長野市篠ノ井二ツ柳1949-6 |
【駐車場情報】 あり 6台 |
【アクセス】JR篠ノ井駅 西口より 徒歩 12分、更埴ICより 車 10分 |
【電話番号】026-293-0006 |